やけくそになって、強くもない力で
前にいたサングラス男の胸板を押す。


だけど、全然ビクともしない。


その行動が余計に男達の怒りを買い、手加減なしに手首を掴まれた。



「離してください!」


「あっ?喧嘩売ってきたのはそっちだろ」


「なっ……ナンパで困らせたのはそっちじゃん!」


「俺はお前みたいな子供(ガキ)をナンパした覚えはねーよ。
 用があるのはそっちのお姉さんの方」



私の手首を掴んだまま、(あご)をクイクイと動かし、後ろにいるお姉さんの方に目を向けるサングラス男。



私が動けないのをいいことに、金髪男がお姉さんの方に向かって一歩一歩、砂に足跡を残す。



お姉さんは怖がって、動けないみたい。
ずっと震えてる。



「やっ、やめてって言ってるじゃん!!
 さっさとどっか行ってよ!!」


男達の気を逸らそうと、生意気に暴れてみたって、なんの効果もなし。


逆にサングラス男の手が、喋らせないように私の頬を掴んできた。