太陽よりも、私の顔に熱を集中させることが上手な先輩は。

自分自身に人差し指をさしながら、ニコニコ笑って、余裕なのか余裕じゃないのか全然分かんない、掴めない人。



けど。


バシャッ!と、水を両手ですくって、ミア先輩に向かってかけた。


避けられない水に、先輩は手を目の上までかざし始める。


そんな目を細めている先輩の視界に
生意気な私はベッと舌を出しながら、入ってみた。


私だってたまには、反抗してみたいもん。


なんでもかんでも先輩の思い通りになると思ったら大間違いだよ。



「やっぱり……私のこと可愛いって思ってくれる人って、先輩だけじゃんか」


「むしろ俺はそうであってほしいんだけど?」


「だってそれじゃあ、先輩に近づけないし」




先輩モテるから……


今頃私が誰もが認める美少女だったら

周りの目なんか気にせず、ミア先輩の彼女だーっ!て、あっちからやってくる敵も、こっちからやってくる敵からも、堂々と立ち向かえるのに。