ミア先輩が選んだ水着なんて……これよりも派手そうで嫌だし。
なにより自分が選んだ水着で、先輩に喜ばれたかったのに。
服の上から試着してみた結果
鏡に映る私は、あまりにも色気がなくて、ハッキリ言えば似合ってない。
マネキンが着ていたからって、誰でも似合うってわけしゃないことが発覚する。
「ねえ、天沢ちゃん。そろそろいい?」
「えっ……だめ!」
もたつく私にイライラしたのか
ーーシャッとカーテンが開いて、ミア先輩に晒される。
服の上から水着なんて、ただでさえ不恰好なのに。
それに加えて似合ってないって……
思わずオタク用語で「オワタ」と言ってしまった。
「天沢ちゃん」
似合ってる……?
似合ってない……?
目を瞑って、先輩の言葉を待っていると。
「やめときな、それ」
「……っ」
ミア先輩は言葉を選ばずに、私を直視したままそう言った。
先輩に遠慮がないことはいつものこと。
それなのに……いつもより胸がズキズキと痛む。
やっぱり似合わなかったんだ……。


