「ミア先輩……ちょっと、思ってたのと違くてですね……その。別の水着にしたいです」



閉めているカーテンから、顔だけ出して。
試着室の前で待っているミア先輩に言う。



「なに言ってんだよ天沢ちゃーん。
 一度着てみたら、もしかしたら気に入るかもよ?」


「いや、私にはちょっと……」


「いいから着てみなって」



ミア先輩に、おでこを軽く指先で押され、試着室に戻されてしまった。



もう一度、水着を持って広げてみたけど……。


やっぱり駄目だ、私にはちょっと刺激が強いよこの水着。



「なあ、天沢。着ないなら、俺がもっとすごいの選んできてやってもいいけど?」


カーテン越しに聞こえてくる、ミア先輩の意地悪な声と笑い声。


「いやっ、いいですこれ着ます!」


「遠慮しなくていいのに~、それ嫌なんでしょ?」


「いやこれがいいです!!今すぐ着ますっ」