「試着、してきな?」
先輩は慣れた手付きで、マネキンからビキニを脱がすと、私に渡す。
「えっ!?試着……するんですか?誰が、私が?
いや、もしかしてミア先輩が??」
「なにバカなこと言ってんの。俺が女用の水着着るわけねーだろうが。
天沢ちゃんがに決まってる。」
「そっ、そうですよね」
やばい、混乱して変なこと言ってしまった。
ていうか試着ってことは……
やっぱり先輩に、見せなきゃいけないんだよね?
やっ、やだなあ……。
ミア先輩に水着姿見られるなんて、やっぱり恥ずかしい。
心の準備してないから余計に、だ。
さっきからミア先輩のニッコリとした笑顔が突き刺さる様に怖いから、私は水着を持って試着室へ逃げる。
靴を脱ぎ、カーテンを閉め、冷静に考えてみたけど。
……これって下着とあんまり変わらなくない?


