【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







「かっ、からかいましたね!?」



涙声で怒鳴っても、クスクスと笑う先輩は最低だ。


純情を遊ばれるなんて……

恥ずかしくて死んでしまいたい。



「普段化粧なんかしないくせに、オシャレなんかして。一体どこ行く気なのかさっさと言ってくれないと、問答無用で浮気扱いしちゃうよ?」


「浮気なんてしてないもん……」


「じゃあ言えよ。
 言わないなら、もっとひどい……いや楽しいことしてやってもいいけど?」


「……っ」



だから、どう頑張ったってミア先輩に隠し事なんかできるはずないんだって。


私ドラマに出たら、きっと大根役者で有名になっちゃうよ。


そのくらい演技下手だし、ましてや相手はミア先輩だ。


騙せるはずもなく。



「……水着」

「はあ?」


俯きながら小さい声で言うと、ミア先輩が顔を近づけてくる。



「だーかーら!!水着を買いに行こうとしてたんです!!」



先輩が顔を近づけてきたのをいいことに
さっきの仕返しのつもりで、大声をだした。



先輩はポカンと、美形を崩さずに呆気にとられていたけど。
すぐに肩の力を抜いて、ため息を吐いた。