私は、家のベランダにいた。 お母さんは出かけていなかった。 ポケットに家の鍵を入れておいたのは正解だったかも。 冷たい冬の風が、私の頬にあたる。 初めての恋、初めての恋人だったのに。 私の恋は最悪な終わり方だった。 あれだけ信介のことを考えて、ふわふわしていた自分が情けない。 きっと、これから生きていく中で、何回も何回もこのことを思い出してしまうだろう。 もう、どうにでもなっちゃえ。