正ちゃんから連絡が来たのは、それから10日も経っていた

しかも素知らぬフリで

バカにしてる

そういう感情の方が先に出てきた

会いたいという正ちゃんの気持ちに応えて、会う事にした

『俺に会いたくなかった?』

『何で?』

『全然連絡ないから』

よくそんな事が言えるもんだよ

大した野郎だよ

嘘つきもいい所

怒りだけが込み上げてくる

この関係を断ち切る

私にそんな勇気があるんだろうか?

少し躊躇していた

でも言わなくちゃ

少し本気になりそうになっていた自分を否定したかった

『私、見ちゃったの』

『何を?』

ここまできてもしらを切るつもり?

それとも私の次の言葉が怖い?

『彼女と居たとこ』

しばらく沈黙が流れた

『そっかぁ』

正ちゃんは開き直りに近いものを私に見せていた

私の目を全然見ていない

会ってから全然見てくれない