「起きて!ねぇ、起きてよ!」

何度揺さぶったことだろう。
全く起きる気配がない……


「んんーっ。ん、おはよー。」

「うん!朝ご飯出来てるから下に降りてきて!」

「……はいはい」

ノロノロと下に降りてきた彼。
2人で向かい合わせになって朝ご飯を食べる。


如月 澪 (キサラギ ミオ)
高校2年生

いつも通りの朝だ。

こんな暮らしが始まったのはちょうど1年前くらい

高校に入るのと同時くらいにお母さんが養子としてある人を引き取ってきたのが始まり。

もともと施設にいた人なんだけど高校に入るのに施設側が支援しきれなくなっちゃったらしく、それを見かねたお母さんがどうしても学校に通わせてあげたいって引き取って来たの。

そして、私を1人にしないためにも。

お父さんもお母さんも会社の重役だから仕事が多忙で家に帰ってこられる日がほとんどないから
私は家に1人ぼっちでいることが多かった。

でも、お母さんがその人を引き取ってきてくれたおかげで私は寂しいとは思わなくなった。


その人って言うのが今、私の目の前で眠そうにトーストを頬張ってる人。


佐倉井 夏央 (サクライ ナオ)


茶色に少しウェーブのかかった髪

整った小さな顔に180センチはある身長

彼はきっと誰から見てもイケメンで、美少年なんだと思う。


そんな眩しい彼に見とれながらも時計を見ると、

「やばい!いくよ!」

学校に出発。