昨日まではアヤノのいない生活が普通だったのに、

今はアヤノのいない生活を寂しく思うなんて。


「今月も、行っていいのかしら?」

「いいよ。おいで」


おいでなんて言ったけど、本当のこと言ったらずっといて欲しい。

だけど、俺だってちょっとぐらい余裕のあるところをアヤノに見せたい。


「そういえば、アヤノ仕事は?」

「やめて帰ってきたから」

「もう、しないの?」

「しないわ」


アヤノは大学時代に専攻していた分野の研究所に勤めていたはず。


「…そう、もったいないよね」

「でもっ、私。勉強するから」

「なんの?」

「……秘密」

「なんだよ、それ」

「まだ思いついたばかりだから、きちんとしたら教えるわ」


秘密にされたけど、次に会う時までに楽しみにしていよう。