三度目の偶然なんて―――





一度目は渋谷

二度目はモンタルティーノ

三度目は……






「神代君。」

「あ、」

「あ、じゃないわよ、全然連絡してこないし」




連絡、待ってたのか?
んなわけ、ないよな……



さすがに一瞬驚いたが、いつもの笑顔を張り付けて答える。



「あぁ、ごめんね、色々忙しくてね」

「…それ、あいかわらず嘘っぽい」



また、だ。


そんな事、アヤノ以外言われたこともない。


むしろ顔を赤らめて俯くぐらいなのにコイツだけは……



「別に、いいだろ?」



今度は不機嫌さを露わにしたままそう答えると、


「うん、そっち方がずっといいわ」


……あいかわらず、よくわかんないヤツ。