「去年、聞いたの。 放課後さ貰ったチョコを友達にあげる会話を。それから怖くなったの。 もしもさ、もしもさ私もそんな風にあげたチョコを他の人にあげるんじゃないかって。 どんだけ気持ちを込めてもさ。いらないじゃあない」 『おっ、今年も沢山貰ったんだな。少しくれよ』 『いいよ』 言った覚えがある。リョウタは、本命以外どうでも良かったのた。 それがこんなことに繫がってくるとは思いもしなかった。 自嘲気味に笑いながらリョウタから目をそらす。 「そんなもの、迷惑じゃない」