「どうしたの」
リョウタは白々しいとじっと瞳を見つめたがピクリとも動かなかった。
「どうしてか分かるか?」
ユズリナは彼の感情が読み取れない。
ただ、強い意思につき動かされていることだけは分かった。
ユズリナは考える。なぜそんなこといい始めたか理由には覚えがあった。
だけどそれがわざわざ押しかけようとは思わないだろうと考えていた。
リョウタはモテる。
だからそんな小さなことは気にしないだろう。
去年もそうだった。去年は勉強で忙しかったから後回しにしていたらすっかり抜け落ちていた。
けれど、それ以外。
見つからない。
「分からない」
「2月14日。なんの日かわかる?」
その日は、そう。
「バレンタインデー」

