サッカー上手なんだ。



スポーツはどちらかというとキライじゃない。
中学の時も部活は運動部だったくらい。

やっぱり勉強より好き。


ボールを蹴っている先輩を見ていたら、
ボールがゴールから外れた。



「あっ…」


つい、声が出てしまった。


「さっきの、迷子ちゃん」


声を出してしまったせいで先輩があたしに気付いてしまった。


このまま逃げるわけにもいかず、ペコッとお辞儀した。



「迷子ちゃーん!」


迷子ちゃんって…
あたしの事、だよね?


まあ迷子だったのは事実だけど、もっと他の呼び方で呼んで欲しい。


「おーい!」


50メートルくらい離れているだけなのに、先輩は大声かつ大きく手を振っている。



あたしも先輩に合わせ、手を振り返した。


「ちょっと待っててぇー」


走ってあたしの方に来てくれた。