気が付けば朝になっていた。


「制服のまま、寝ちゃった…」


シワシワの制服を伸ばしてみたけど、あまり変わらない。


ベットではなく床で眠っていたせいで身体中痛い。


「かほー」


部屋の前からお母さんが少し心配そうに呼ぶ声が聞こえた。


「夏帆、大丈夫?」


「んー大丈夫」


「学校はどうする?休んでもいいよ?」



そっか…まだ学校が残っているのか。
行きたくないけど…


「行くよ。大丈夫だから」



休むわけにはいかない。

もし休んだりして平本先生が山のように課題を渡してきそうで…

恐ろしい。



お母さんの作ってくれたご飯を食べて、今日も歩いていった。


赤く色づく葉が増えてきているのに…
その色がよくわからない。


あたしの心は昨日からポッカリ穴が空いた。