蒼衣先輩でも謝る事あるんだ。


…………人間だからか。



「で、福島なの?」


「はい、福島先輩です。

なんだか用事が入ったみたいで帰れないそうです」



校内にいると分かっていても会う機会なんてほとんどなくて帰りしか会えない日なんてほとんど。


その帰りが無いのが寂しい。



「ふーん、そうなんだ。
じゃあ今日は早めに終らす?」


「いつもと同じでいいです」


「外は暗いよ?」


「大丈夫です」



あたしは梓と違って暗いのが苦手な訳じゃないから1人で帰ったって大丈夫。


それに片付けの時間が短くなるのイヤだし…

この時間は嫌いじゃないんだから。





「秋元さんに何かあったら俺が怒られそうだから送ってく」


…………『送ってく』

誰を?



「聞いてる?」


「聞いてますって!」