福島先輩へのプレゼントのことを頭に置きながら放課後――――…



いつものように静かな図書館。
そう、いつもと変わらない…
変わらない…


「秋元、おっせぇよ」


「担任の話が延びたんです」



変わらないはずだったのに…
平本先生がいた。


蒼衣先輩は蒼衣先輩で新しく買ってきた本をいじっている。
手には白手袋をはめ、タオルで1冊1冊丁寧に表紙を拭いている。



「秋元さん手伝ってくれる?」


「はい」



近くにあった白手袋とタオルを持って見よう見まねであたしも作業に取りかかった。



なぜこんなことをするのかあたしには分からない。
本を読む時に手袋なんてはめて読むのかな?


気になる事は沢山あるけどあたしは一切口を開けずに黙々と作業した。

この雰囲気では蒼衣先輩に聞きたくても聞けないよ…




1時間弱で買ってきた本を全て拭き終わった。