鷹塚学園までは電車で15分とかなり近い。



行きの電車、私は同じ車両に彼の姿を見かけた。



「……佐野くん?」



声にならない声だ。



佐野くんは電車通学じゃないはず…

だが、あの姿、あの顔…

どこからどう見ても、佐野くんにしか見えない。



そうこう考えているうちに、あっという間に鷹塚学園の最寄り駅まで着いてしまった。

佐野くん似の彼も私と同じ、この駅で降りた。


ブレザーを見てみると、私と同じ物を着ている。





もしかして佐野くん、私と同じ学校に転校をーーー?

私を追いかけてーーー?





なんて浮かれた事まで考えてしまう。