ずっと無視されてきて、
久しぶりに声をかけられた。


『中山くん!!あの、良かったらこれ…』


『え、あ。ありがとう?!!何?』


何かに緊張しているのか、
俯いて顔を少しだけ赤く染めている優愛から受け取った可愛らしいピンク色の袋。

何だろう…と思って袋の中を少しだけ覗いてみると…


『えっ、…チョコ?』


そう、彼女から貰ったのは…チョコレートだった。

けど…

あの日は…2月17日。
バレンタインデーは2月14日だから、
少し遅れてた。


『あのね、
渡そう渡そうってずっと思ってたんだけどね、
その…渡しそびれちゃって…』


ごめんね、と少し残念そうに謝る彼女に、
体全身が熱くなるのを感じたんだ。

話しかけてくれた事も、嬉しいし
チョコレートをくれた事も素直に嬉しかった。


そして…



『私、中山くんのこと好き!!
だから手紙書いたからよかったら読んで!!』



そう早口で捲し立てると、
彼女はそそくさと去っていった。






だから…あの日。


確信したんだ。



疑問が確信に変わったあの日。