溺愛王子様のつくり方

「学くんって慣れてるよね」



隣を歩く学くんを見上げる。

あたしよりも20センチくらい背の高い彼の顔は見上げないと見えない。



「慣れてるって?」


「女の子の扱い。昔から」


「別に普通にしかしてねーよ」



ふぅっと息を吐く。



「男の子に慣れてないあたしには余裕があるように見えるけどね」


「慣れてないとか言って、別に大学時代に彼氏がいなかったわけじゃないだろ?」


「それは……まぁ」



ずっと学くんのことが好きだったけど、忘れられなかったけど。
でも、1人も好きな人がその間できなかったわけじゃない。



「まぁ、過去なんてどーでもいいか。俺だってそうだし」


「学くんはモテるだろうしね」


「まぁな」



こう言って、否定しないのが学くんらしい。
学くんは自分の顔の良さを理解してる。
少しナルシストなくらいだ。



「ほら、乗れよ」



鍵を車に向けて〝ピッ〟という音とともに、ガチャっと鍵のあいた音がしてから学くんが助手席のドアを開ける。