「霧島。お前は仕事をサボってここで何してる?」


「いや、あの……「燿くんは徹夜で仕事してたから、仮眠を取ってただけだよ!サボってなんかいない!」



相手が副社長ってだけあって、強く言い返せない燿くんの代わりにあたしが口を挟む。



「ふーん。ご苦労さん。もう少し寝ていたらいいだろう」



学くんがさっきまで燿くんが寝ていたベッドを指さす。



「いや、仕事に戻ります」



そう疲れた顔で口にして、ベッドにおいてあったスマホとさっき渡した栄誉ドリンクを手に取る。



「じゃあな。これ、サンキューな」



あたしに栄誉ドリンクを見せて笑う燿くんの顔はひどく疲れていた。

そして、ペコッと学くんに一礼して医務室を後にする。



「もう……燿くん体大丈夫かな?」


「なんだ、ほかの男の心配か」



じわりじわりとあたし近づいてくる。



「なっ……!あたしは保険医として心配してるだけで!だいだい学くんがわざとらしく……っ」



続きの言葉は言わせてもらえなかった。
この人の唇で閉ざされた。