「じゃあ、改めて」



お父さんとタマが帰ったあと、学くんがあたしをソファーに座らせる。



「ん?」


「正直に答えてほしい」


「うん」



いつになく真面目な表情をしている学くん。



「復讐とかいろいろあって、俺はちとせのことを散々傷つけた」


「うん……」



傷ついたのはたしかだった。
その事を思い出すといまだに辛い。

でも、それ以上に学くんのことが好きだ。



「散々、嘘だとか気持ちがないとか言ってきたけど」


「うん」



ゆっくりと話す学くんの言葉を、聞きのがなさないように拾っていく。



「この前も言ったように、あの時も今もお前に言っている気持ちには嘘偽りはない」


「うん」



学くんの表情を見て入ればわかる。
嘘をついているような表情はしていない。



「こんな俺のこと嫌になってなかったら、もう1度これを一緒に出しに行こう」



テーブルから婚姻届を取って、あたしの手に乗せる。



「嫌だったら、破いてくれて構わない」