「学くん……」


「ん?」


「あたし、体育館で紹介された時からずっとそうです」



俺をまっすぐに見つめてそんなことを言う唇。
その唇をどうしても奪いたくなった。



「そっか」



俺は、ちとせちゃんの唇に自分の人差し指を重ねる。



「え……?」


「俺は一応いまは先生だからね」


「……あ」



かぁっと頬を赤くする。



「どうして、体育館でそんなふうになったの?」


「なんか目が合ったかもしれないって……いや!たまたま生徒たちを見ただけってのは分かってて!でも、ドキドキしちゃって……」



慌てたように顔の前でブンブンと手を振る。



「目が合ったかもじゃないよ」


「え……?」



俺の言葉に首を傾げる。



「合ったんだよ」


「……っ」



みるみるうちに真っ赤になっていく頬。



「ぷっ、真っ赤」



頬を真っ赤に染めるちとせちゃんがかわいくて。



──チュッ



気がついたら、彼女の唇に自分の唇を重ねてた。