その日、慈英から電話が掛かってきた。
取らないのも変だし、私は大きく深呼吸をしてから電話に出た。
「はい。」
「心菜?」
「うん。」
「カフェでの話だけど。」
「うん。」
「ケイの話は嘘だから。」
「嘘?」
『嘘をついてるのは慈英でしょ。』
心の中で呟いた。
「言いづらい話だけど、俺も28だし、それなりに女性とは付き合ってきた。」
「…………。」
「だから別れ際に揉める事もあった。その事をケイは言ったんだ。『泣かせないでよ』って。」
「…………。」
沈黙が流れる。
私も慈英は女性のエスコートとか慣れてるし、過去に彼女がいたとも思ってる。
それが何人かは分からない。
でも…………モテる慈英は何人も付き合ってきたに違いない。
それは理解してるつもりだ。
ただ恋愛初心者の私は過去の彼女が気になって仕方ない。
私には過去なんてないから。
慈英はどれだけの彼女がいたのか気になってしまう。
取らないのも変だし、私は大きく深呼吸をしてから電話に出た。
「はい。」
「心菜?」
「うん。」
「カフェでの話だけど。」
「うん。」
「ケイの話は嘘だから。」
「嘘?」
『嘘をついてるのは慈英でしょ。』
心の中で呟いた。
「言いづらい話だけど、俺も28だし、それなりに女性とは付き合ってきた。」
「…………。」
「だから別れ際に揉める事もあった。その事をケイは言ったんだ。『泣かせないでよ』って。」
「…………。」
沈黙が流れる。
私も慈英は女性のエスコートとか慣れてるし、過去に彼女がいたとも思ってる。
それが何人かは分からない。
でも…………モテる慈英は何人も付き合ってきたに違いない。
それは理解してるつもりだ。
ただ恋愛初心者の私は過去の彼女が気になって仕方ない。
私には過去なんてないから。
慈英はどれだけの彼女がいたのか気になってしまう。


