「あー、俺も彼女とか作ろうかな？」

「誰？」


速攻で賢にツッコミを入れる。

賢にも彼女願望とかあったのか。


「俺も運命の女でも探そうかなってコト。」

「運命の女？」


賢の意外な言葉に首を傾げた。


「兄貴と心菜には負けない。」

「…………負けない。」

「そっ、俺も運命の女と最高の恋をしたくなった。」

「最高の恋？」


さっきから賢の言葉を復唱していた。

賢も恋をしたいのか。

それなら…………


「賢に告白してくる人の中から選べば？」

「はっ？俺は運命の女と最高の恋がしたいって言ってるだろ。」

「…………。」

「絶対に心菜には負けない。」


さっきも聞いたような台詞だ。


「心菜、付き合って。」

「ん？」

「カフェ。」


呆れた目を向けた。

私と慈英の出逢いはカフェだが、必ずカフェに運命の出逢いがあるとは限らない。

それなのに賢はカフェに付き合えと？


「一人で行かないと意味なくない？」

「偵察。」

「…………そんなんで運命の女に出逢える？」

「兎に角、付き合って。」

「いいけど。」


なんだか面白そうだ。