部屋には両親と私だけが残された。
静かな部屋にウエディングスタッフの声が聞こえた。
「お母様、式場の方へご移動願います。」
緊張してくる。
母が部屋から出て行けば、父と二人っきりだ。
滅多にない状況に沈黙が訪れるが、先に口を開いたのは父だった。
「慈英くんとは仲良くしてるか?」
「うん、してるよ。」
「一緒に暮らしてどうだ?大丈夫そうか?」
「うん。」
「そうか。仲良く末永く幸せになりなさい。」
「お父さん、今までありがとう。」
今まで言えなかった言葉がすんなりと出てきていた。
もう一度だけ軽く頭を下げてお礼を言う。
「お父さん、本当にありがとうございました。」
ふわりと揺れるベールに父が慌てる。
「わかったから。折角、綺麗に整えてあるのに。」
「これぐらい大丈夫だよ。」
微笑んで見せれば、父の幸せそうな顔が目に入ってきた。
『親孝行』
娘の幸せが親孝行なんだと痛感した。
静かな部屋にウエディングスタッフの声が聞こえた。
「お母様、式場の方へご移動願います。」
緊張してくる。
母が部屋から出て行けば、父と二人っきりだ。
滅多にない状況に沈黙が訪れるが、先に口を開いたのは父だった。
「慈英くんとは仲良くしてるか?」
「うん、してるよ。」
「一緒に暮らしてどうだ?大丈夫そうか?」
「うん。」
「そうか。仲良く末永く幸せになりなさい。」
「お父さん、今までありがとう。」
今まで言えなかった言葉がすんなりと出てきていた。
もう一度だけ軽く頭を下げてお礼を言う。
「お父さん、本当にありがとうございました。」
ふわりと揺れるベールに父が慌てる。
「わかったから。折角、綺麗に整えてあるのに。」
「これぐらい大丈夫だよ。」
微笑んで見せれば、父の幸せそうな顔が目に入ってきた。
『親孝行』
娘の幸せが親孝行なんだと痛感した。