ぎりぎりセーフで入社式には間に合った。
空いてる席に腰掛けた私は周りを見渡した。
やっぱり大企業だけあって、新入社員も大勢いる。
「それでは入社式を始めます。」
騒ついていた会場が静まり返った。
視線を壇上に向ければ、見知った顔が並んでいた。
ふと副社長の慈英と目が合うが、すぐに視線は逸らされた。
まあ、今朝の態度からして慈英が不貞腐れているのは理解している。
それに今は入社式の真っ最中だ。
慈英も副社長としての顔を見せている。
「それでは副社長の岬より挨拶をお願いします。」
女性社員から岬副社長、つまり慈英へ視線が集まる。
その中を毅然とした態度で私達新入社員を見下ろす慈英は『カッコいい』と誰もが思ってしまうだろう。
「新入社員の皆さん、今日からはミサキ商事の社員として…………。」
静かなホールに心地よい声が響いていた。
家とは違う慈英が私達の前で堂々と話をしている。
いつもの慈英とは別人のようだ。
空いてる席に腰掛けた私は周りを見渡した。
やっぱり大企業だけあって、新入社員も大勢いる。
「それでは入社式を始めます。」
騒ついていた会場が静まり返った。
視線を壇上に向ければ、見知った顔が並んでいた。
ふと副社長の慈英と目が合うが、すぐに視線は逸らされた。
まあ、今朝の態度からして慈英が不貞腐れているのは理解している。
それに今は入社式の真っ最中だ。
慈英も副社長としての顔を見せている。
「それでは副社長の岬より挨拶をお願いします。」
女性社員から岬副社長、つまり慈英へ視線が集まる。
その中を毅然とした態度で私達新入社員を見下ろす慈英は『カッコいい』と誰もが思ってしまうだろう。
「新入社員の皆さん、今日からはミサキ商事の社員として…………。」
静かなホールに心地よい声が響いていた。
家とは違う慈英が私達の前で堂々と話をしている。
いつもの慈英とは別人のようだ。