またもや流暢な英語で笑う慈英を見つめる。

本当に楽しそうに話している。

そんな慈英の手は私の肩を抱き寄せている。


「彼女、若くないか?」

「23。」

「おい、マジか!」


なんか年齢で盛り上がっている。

流暢すぎる英語に耳が追いつかない。


「可愛い。」

「あ、ありがとう。」


簡単な会話には答えられる。


「こんなオジサンでいいの?」

「あっ、はい。」


緊張でガチガチだ。

そんな私の耳元で慈英が囁く。


「心菜、そんなんで住めるのか?」


目が合えば、明らかに揶揄っている。


「だって…………英会話なんて普段してないし。」

「だな。」


クスリと笑う息が耳に吹きかかり擽ったい。

首を竦めれば周りから冷やかされる。

それを嬉しそうに答える慈英が更に強く私の肩を抱き寄せる。

隣に座る慈英を見れば、本当に幸せそうな顔を見せている。

そんな慈英の顔に私も幸せが満ち溢れてくる。


「慈英、幸せになろうね。」


私の呟きが漏れた。

慈英の視線と交わる。

驚きの表情に笑ってしまう。


「ふふっ、驚いてるの?」

「…………心菜。」


突然キスをされて私が驚く。