白岡駅に着いたのは9時40分、待ち合わせ時間の20分前に着いた。





ちょっと気合い入れすぎただろうか。





20分もどうしようか迷っていると、何やら背後がざわめき始めた。





「?」





なんだろうかと、後ろを振り向くと長身の男が改札を出て歩いてくる。





その姿を見た女の子たちが二度見したり、黄色い声を出していた。







「やっぱりなー」






もちろんその主は宗平で、私を見た途端にそんな言葉を発する。






「う、あ、お、おはよう」





「なんでどもるんだよ」





宗平だと認識した瞬間に体温が急上昇するのがわかった。






「いや、べつに」





さっきまで緊張なんてあまりしていなかったのに、本人を目の前にした瞬間これだ。








なんだこれ。



熱すぎる。



どうしよう、心臓がドキドキする。








「チクワって優等生っぽいもんな、絶対はやく来ると思った。予想以上にはやく来てるから驚いたけど。待ったか?」






「う、ううん。私も今着いたとこ」






「ならよし。じゃあ行くか」






踵を返した宗平の後ろに身を隠すようにして歩き始める。





ドキドキしてちゃんと宗平を真っ直ぐ見れなかったけど、後ろ姿を見るだけで、周りを歩くどんな男の人よりかっこいいと思った。






女の子たちがざわめいた気持ちが今ならわかる。





それに。






改めて私は宗平が好きなことを実感した。