たくさんの手を叩く音が響いてきた。 初めて登るステージはとても熱く感じられた。 きっと煌々と光る照明のせい。 用意された椅子に座ると客席が一望できた。 客席は少し薄暗く、早希やマスターがどこにいるのかわからない。 顧問の上げた指揮棒が目に入り、部員たちが一斉にギターを抱えた。 いよいよ始まる。 私にとって初めての舞台、3年生にとっては最後の舞台。 指揮棒が振り上がると、部員たちの息を吸い込む音が聞こえてきた。