「先輩!」

「緑ちゃん。私ね、頑張ってる緑ちゃんを助けてあげたいって心から思うよ。それにさ、私は営業アシスタントだから営業さんを助けるのすごーく得意なんだよ。知らなかった?」

必死に断ろうとする緑ちゃんに諭すように告げて、最後の言葉だけはふざけたように語尾を上げる。すると笑いつつ半ベソという中途半端な表情になった緑ちゃんが、数秒私を見つめてからコクンと頷いた。

「ありがとうございます…」

「うん。私頑張るから、緑ちゃんも遠慮なくプロジェクト頑張ってね」

「ありがとう、西春さん。やっぱり君に頼んで正解だった。じゃあ、杉山さんから軽い引き継ぎ受けておいてね」

「あ、課長!」

私たちのやり取りを見ていた菊里課長が満足気な顔でそのまま席を立って部屋を出て行こうとするのを、緑ちゃんが思い付いたように止めた。

「何?」

「私のヘルプに千草先輩が入ってくださるのは分かったんですが、千草先輩のヘルプは誰ががしてくれるんですか?」