白馬に乗った上司様!?

「あのー‥‥」

このままでは話が止まらない。女将さんが生ビールをテーブルに置いたタイミングで、声を上げた。

「何?西春さん」

「いえ、あの、ビールが届きました」

「おっ!そうだね、飲も飲も。はい、かんぱーい」

1人ジョッキを掲げた旭野主任はビールを半分程飲んで「はぁーっ!」と満足げな声を出した。

「お前なぁ‥‥ごめんね、西春さん。はい、乾杯」

私の隣、菊里課長はやれやれといった顔を見てしてから、自分のジョッキを私のにカチンと当てた。

「‥‥乾杯」

横ならあまり顔を見ずに済むだろうと、勧められるまま隣に座ってしまった事を後悔しつつ、私もジョッキに口を付ける。
こんな課長の至近距離、心臓に悪過ぎだ。今からでも席を移ろうか?いや、そんな不自然な事出来ないし、ずっと顔を見て喋るのも緊張し過ぎる。どちらにせよ、私の限界を超えている。