白馬に乗った上司様!?

「ぶはっ。はははっ、西春さん面白いね」

「え?あの‥‥‥」

いきなり笑い出した菊里課長に戸惑っていると、女将さんがとりなしてくれた。

「ごめんなさい、私の言い方が悪かったですね。菊里さんの彼女さんと勘違いした訳じゃないんですよ、旭野さんから部下の方がご一緒だってお聞きしてましたし」

「え、あ、あの、じゃあ‥‥」


恥ずかしいっ!!!
私なんかが勘違いでも課長の恋人に間違われるわけないのに。近過ぎる距離に浮き足立ってしまった。

「ーーーすみません」

真っ赤な顔をうつむかせて謝ると、課長がフォローするように肩を叩く。

「いや、俺も笑い過ぎてごめん。真面目な西春さんがこんな可愛らしい勘違いするなんて意外でさ。ほら、行こう。旭野が待ちくたびれてる」

「ーーはい」

こんな時だって課長は紳士だ。私が傷付かないようにしてくれる。