し ろ う さ ぎ





人生の中で、出会いはごく限られている。


その中で出会って恋する度に運命だと言ってみてもすれ違い、傷付いて、臆病になってしまう。


それでも、また好きになっていたりする。


だから、たまには心の赴くままに進んでみる恋も悪くないかもしれない…────────









年に一度だけのクリスマス。


街はどこもかしこもキラキラと光を溢している。

そこには沢山の行き交う人の笑顔が溢れていて。


幸せ一色、そんな眩しい中にもすぐに見つけた……彼の姿……。





「あっ、斎川君ー!
こっちこっちー!」


「ごめんっ!
待った……?」


「ぜーんぜん待ってないよ?」


「……嘘。
鼻真っ赤じゃんー」


「……うぅー。
ちょ、ちょっとだけね……!
ちょっと早く来ただけ!
二十分前……かなぁー……?」


「……っもう。
そりゃあ冷えるわけだよ……」


「あたしね!
体は丈夫だから大丈夫!
それよりほら行こ!」






「う、うーん……なんて言えば……いいのやら……」


「っわ!」


「うわあっ!」


「ははっ、大成功~っ。
葵、いつになったら声掛けてくるかなーって見てたのにー」


「き、気付いてたなら声掛けてくれてもいいじゃないですかぁ……!」




すれ違う人々の中、僕はたった一人の君を見つける。


それはきっと当たり前なんかじゃない、奇跡のようなこと。


僕らの辿るこの路が……恋なんてものに繋がっていたことに気付くのは。


もう少しだけ後のお話…────────



【END】