伊勢先輩がケタケタ笑いながら修正を手伝ってくれた。私は先程まで部長にどうしてこんなミスをしたのか、長い経験談とお説教を受けていた。

「ただいま戻りました……何してるんですか?」

「月白の尻拭い。矢敷も手空いたら手伝ったら? コンビニのプリン奢ってもらえるよ」

「月白が? 珍しいな」

「本当にすみません……」

今年入ってきた新卒の子がミスをして、部長やらに注意を受けて、夏頃に辞めてしまったのを思い出す。

確かに、これは辞めたくなるかも。

私は初めての大きなミスに胃がキリキリとした。