ほんもの。


安藤が会社の飲み会に来てることってあったのかな。私は違うことで頭が一杯で、それを気にしたことがなかった。

「安藤のケーキだよ?」

受け取って、返す。

「一緒に食べたい」

馬鹿みたいだけど、そんな言葉が嬉しかった。

「誕生日おめでとう、安藤」

「ありがとう」

帰り道、何となく安藤の腕に巻き付いてみたけれど、振り払われることは無かったのでそのまま歩いた。ちょっと歩きにくいけれど、まあいっか。

「月白、今日こっち泊まれば?」

「え、でも明日出張なんでしょう? 私いたら煩わしくない?」

ふ、と安藤が笑う。
この顔、あの写真と同じ。