ほんもの。


もう一枚、無表情の安藤が焼きそばを焼いている姿を見つけた。わあ、掘り出し物だ。

「もういい。ありがと、これ欲しい」

「別に良いけど。……仲良くしろよ」

「はーい」

兄の言葉に返事をする。たぶん、兄は私の話を聞きに帰ってきてくれたのだろうな。昔から、何かと心配をしてくれる。

安藤も高校のときに兄と知り合ってれば、少しは笑ってたかも。なんていうのは、想像の範疇でしかない。






料理の勉強をしようかな、と思い始めた。

「どうしたの、それ」

伊勢先輩が驚いた顔で私のお昼ごはんを見つめる。矢敷さんも何かを言いたい顔をしているが、何も言わないでいた。