ほんもの。


兄が私のことを見上げる。

「見たい!」

「えー出すの面倒くさいな」

「じゃあ勝手に探す」

リビングを出て階段を上る。兄の部屋に入った。
後ろからゆっくりと上ってくる足音。

なんだかんだ兄は自分の部屋を荒らされるのが嫌なのだと思う。
それは見つけられると困るものがあるからだろう。

兄が本棚の上の方から小さい段ボールをおろした。

中から寄せ書きや卒業証書の筒が出てくる。私のときは筒じゃなくて二つ折りになるのだったけど。

「ん」

アルバムがこちらに差し出され、受け取る。兄の部屋でそれを開いた。
うわ、10クラスもある。こんなマンモス高校に兄は通っていたのか。