ほんもの。


それは初耳だ。というか、母は知ってたんじゃ?

そもそも安藤と私は同じ会社だったわけだし……。

「学年同じ? でも私と同期だよ」

「あいつ院行ったんだよ。って、釣書見てねーの?」

「騙されて連れてかれたの。お母さんは見てたと思うけど」

兄は向かいの椅子に座って頬杖をついた。全然可愛くはない。

安藤がやったら少し愛嬌があるかもしれない。

「まあそれよりも彼氏の年齢知らない方が問題だと思うけど。誕生日も知らないとか?」

「ま、まだ付き合って日が浅いし」

「てか、俺の部屋に高校のときの写真あるかも」

私の話を聞いてくれない兄の言葉に、立ち上がった。