ほんもの。


テーブルの上には有名菓子店のクッキーが置いてある。

「お兄ちゃん食べ過ぎ! 私の分がない!」

「おーい、安藤と見合いしたんだろ」

「したけど……安藤のこと知ってんの?」

私はキッチンで手を洗って、クッキーをひとつ取る。兄が立ち上がって、キッチンへ行った。

コーヒーを淹れて戻ってくる。

「ん、おかえり」

「ただいま、ありがとう」

それを受け取り、ダイニングテーブルの椅子に座る。クッキーを齧った。

「同じ高校だったから」

「うん?」

「安藤と俺、同じ学年だった。クラスは同じになったことは無かったけど」