ほんもの。


それからふと冷静な私が言う。
安藤が居なくなったらどうなっちゃうの、と。

太腿の内側を這う手に、声が漏れる。私は自分がこんな甘い声を出すことを知らなかった。

「あ」

「ん、?」

「相性も『良い』な」

顔が赤くなったのは、言うまでもない。




週末実家へ帰ると、珍しく兄がいた。

ちなみに兄は婚約者と同棲していて、色んなひとに結婚しないのかと急き立てられている。

「おう、見合いしたんだって?」

両親は出かけているらしく、リビングでテレビを見ていた兄が迎えてくれた。