反論する声が涙声なのは色々察して欲しい。私だってこの歳になってこんなに、いやそんな話はどうでも良い。

「って言ってさっきも可愛い声で啼いてたけど」

「安藤のそういうところ嫌い」

「じゃあもっと好きになってもらわないと」

あ、また笑った。
いや、黒い微笑みだ。







目を覚ますと、私は下着とTシャツを身に付けていた。

全然疲れが取れてない。一体今何時なんだろう。
腕時計を見ようと手首を見るけれど、時計がない。

どこに置いたんだっけ。いや、自分で外したっけ?

周りを見回すと、近くの棚の上に私の時計と置時計があった。