心配する顔でこちらを覗き、尋ねる。
きっと前に熱を出したことを思い出したのだろう。体調を崩すのは稀なことだ。
「いや、昼までには治る」
「無理しない方が良いよ。折角元日なんだし」
リモコンを置いて隣に座る。その腰を掴んで、足の間にその身体を持ってくる。
腹部に手を回して、肩に顎を乗せた。
「部屋で寝る?」
「少し、このままで」
言うと静かになったので、悪戯心がくすぐられた。十和子の耳を少し噛むと、ひゃ、と首を竦める。
愛のかたち、か。
「やだ、あっち行く」
捩る身体を宥めて留まらせる。
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