安藤も同じことを思ったのか、少し笑った。 「夕飯はすきやきなのよ、お兄ちゃんが良いお肉を送ってくれてね」 「すきやき好き」 「十和子は何でも食べるでしょう。泉さんはすきやきどう?」 「好きです」 即答。安藤はさっと菓子折りを母へ手渡し、「用意手伝います」と言い出した。嫁の台詞だ。 「運転疲れたでしょう。休んでいて」 「安藤、お兄ちゃんの部屋に高校のアルバムあるよ。見に行こう」 袖を引っ張って、リビングから脱出する。流石にあそこへ居座って、父親との微妙な空気を吸わせるわけにはいかない。