「家、全然掃除してないの。今日はこっちに泊まって」
こっち、とは旅館のこと?
「え……嫌だ」
「なに子供みたいなこと言ってるの。ほら、十和子さんも早く上がって」
何やら乗り気では無さそうな安藤を見る。安藤もこちらを見て、「何でもない」と首を振った。
仲居さんが部屋に通してくれて、荷物をおろす。
「この人、弟の奥さん」
「月白十和子です、よろしくお願いします」
「安藤みゆきです、どうぞゆっくりしてってください」
「ど、どうも……」
仲居さんこと安藤の弟嫁ことみゆきさんは一礼をして部屋を出ていく。
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