手土産を買ってない。
すぐに百貨店のデパートへ行き、私のイチオシのクッキーを買った。自分の分も買おうかと思ったけれど、こういうのは他人に貰うのが嬉しい。
「それ月白が好きなやつだろ。置いてけ」
「え、なんで?」
「たぶん家がお歳暮で溢れ返ってるから。持って行っても食べさせられるだけだ」
それを聞いて、確かにうちも毎年たくさんお醤油やら油が届いていたことを思い出した。
「でも、もし食べさせられても、常識ない人間には思われたくない……」
「なら良いけど」
しゅんとした声を出したのが良かったのか、安藤がすぐに折れた。



