ほんもの。


膝を立てて、その上に肘を伸ばして置いている。安藤は何かを考えるようにテーブルの上を見ていた。

「食べないの?」

「……食べる」

いただきます、と言って卵にスプーンを差し込む。私も口に運んでテレビの方を見た。え? 犯人もう分かっちゃってるの?

万が一の為に録画はしているから、帰って結局じっくり観ることにしよう。

「どうして帰ることにしたの?」

「電話あって……帰ってこいと」

「え、何かあったの?」

去年の末、母方の叔父が倒れた。今は退院したけれど、あの時は色々大変だった。