それを安藤に当たるのは違う。

私はもう十代でも学生でもないのだし、自分の失敗は出来る範囲で自分で責任を取らなければならない。とか言いながら、この前先輩にも迷惑をかけた。

学ばねば。

「聞かれた。から、安藤と付き合ってるって、言って良い?」

安藤がこちらを見る。瞳が焦げ茶だ。
頬をふにふにと押される。

「どうぞ」

「ありがと」

「なんで感謝?」

「大事にしてくれるから」

少し考える顔。指が離れて、肩を抱き寄せられた。

「大事に決まってるだろ」

あ、通じた。
ふふ、と笑ったけど、目頭が熱くなる。