「こちらが月白十和子さん。先代が月白グループの会長さんです」 いやいや確かに先代が月白グループの会長だけれど、うちは分家の分家、そして末端。 枝分かれの端に位置する月白なんですけど。 茅野旅館と釣り合う言い方をするとそうかもしれないけれどとても誤解を生む表現。 そして安藤からの視線が痛くて、私の視線は未だテーブルの上をうろうろしていた。 「あとは若い二人で」 お見合いおばさんが私達の母を引き連れて出て行く。母を睨むと、にこにこと笑っていた。許さないぞ私は。 静かな沈黙が降りる。