「好きだけど……?」

「なんで疑問形なんだよ」

「こっちの台詞なんだけど。何でそんなこと聞くの? 好きじゃなかったら付き合ってないし、私今ここにいないし」

私の言葉に安藤が顔を顰める。その顔結構怖いのでやめて欲しい。

掴まれている方じゃない脚を掴まれて引き摺られる。結局抱き寄せられた。

何がしたいんだろう。

「顔が良い以外に良い所あった?」

「……顔? 安藤の顔は格好良いと思う。自信持って」

「月白が『顔が良いからって理由で安藤を選んだりしない』って言ったんだろ」

すり、と頬に耳が当たる。